再検査を受けない理由って?
健康診断で「要再検査」の結果が来ても、つい後回しにしてしまう方は少なくありません。
その背景には、多くの方に共通するいくつかの理由があります。
「特に自覚症状がないから大丈夫だろう」
「仕事が忙しくて時間がとれない」
「わざわざ病院に行くのが面倒」
このような自己判断や現実的な問題。
さらに、
「もし悪い結果だったらどうしよう」
「検査費用はいくらかかるのか」
といった不安や経済的な心配から、一歩を踏み出せない場合もあります。
こうした気持ちは誰にでもあるものですが、その小さな先延ばしが、後悔を生むきっかけになってしまうかもしれません。
再検査を受けないリスクとは?
再検査の通知を「問題ないだろう」と放置するのは、将来の自分の「健康」「生活の質」「お金」を危険にさらす行為にほかなりません。
法的な罰則はありませんが、その代償は非常に大きいものです。
病気の発見が遅れ、症状が悪化する
健康診断の異常値は、体が発している静かなSOSサインです。特に高血圧や高血糖といった状態は、自覚症状がないまま静かに進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気の引き金になる場合があります。痛みやだるさなどの症状を自覚したときには、すでに病気がかなり進行しているケースも少なくありません。本来であれば簡単な治療や生活習慣の改善で済んだはずが、大がかりな手術や長期入院が必要になるリスクを高めてしまうのです。
生活の質(QOL)が著しく低下する
病気が進行すると、これまで当たり前にできていた日常が大きく制限され変わってしまう可能性があります。例えば、厳しい食事制限で好きなものを自由に食べられなくなったり、体力が落ちて趣味や友人との旅行を楽しめなくなったりするかもしれません。
さらに、通院が日常の一部となり、常に病気の不安を抱えながら生活するのは、精神的にも大きな負担となるでしょう。「なぜもっと早く受診しなかったんだろう」と悔やまれるかもしれません。
経済的・時間的な負担が雪だるま式に増える
見過ごされがちですが、金銭的な問題も発生します。初期段階であれば、月に数千円の診察費や薬代で済んだものが、進行して手術や入院となれば、治療費は数十万円から数百万円に跳ね上がる場合もあります。さらに、治療が長引けばその分仕事を休まざるを得ず、収入も減少してしまいます。再検査にかかる費用と時間を惜しんだ結果、将来的にその何十倍ものお金と時間を失うことになりかねないのです。
再検査の結果を受けたらすべきこと
健康診断の結果を無視して再検査を受けない場合のリスクを理解したら、次の行動へ移しましょう。通知を受け取った後にすべきことは、決して難しいことではありません。
ステップ1:結果表を確認する
健康診断の結果表を、もう一度じっくり確認してください。「C判定:再検査」「D判定:要精密検査・要治療」といった指示が書かれています。もし何科を受診すればよいか分からない場合は、まずはかかりつけ医か、お近くの内科に相談するのがスムーズです。
ステップ2:医療機関を予約し受診する
受診する医療機関を決めたら、予約を入れます。その際は「健康診断の再検査で受診したい」と伝えましょう。そして、健康診断の結果表を必ず持参してください。医師が結果を見て、どのような検査が追加で必要かを的確に判断してくれます。
特に、以下に当てはまる方は、できるだけ早く受診することをおすすめします。
- 結果表に「D判定(要精密検査・要治療)」と記載されている
- 自覚症状(体のだるさ、息切れなど)がある
- 検査値が基準を大幅に超えている
さいごに
健康診断で再検査の通知を受けても、自己判断や忙しさ、不安などから受診を先延ばしにしてしまう方は少なくないでしょう。しかし、その小さな油断が病気の発見を遅らせ、将来の健康・生活の質・お金を大きく損なう原因になりかねません。
再検査は、未来の自分を守るための大切な機会です。自分の体を守れるのは、他の誰でもない自分自身。まずは勇気を出して、医療機関へ相談することから始めてみましょう。