どうしてストレスが認知症の原因になるのか
血流が悪くなり脳に栄養や酸素が届きにくくなるため
ストレスを感じると交感神経が優位になり、血管が収縮して血流が悪くなります。血液には細胞に酸素や栄養を届ける働きがあるため、血流が悪くなると脳の神経細胞に酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。そのため脳にある海馬が萎縮しやすくなり、認知症が現れるといわれています。海馬は記憶を司り、短期記憶に深く関係する大切な器官です。
内にこもりやすくなり、脳への刺激が減るため
認知症を予防するには、脳に刺激を与えて活性化することが大切です。けれどストレスがたまると、意欲が低下して外への興味がなくなってしまいます。そのせいで体を動かさなくなったり人との交流を避けたりするようになり、脳への刺激が減って認知症になりやすくなってしまいます。
ストレスをためない生活を送るポイント
自分の好きなもの興味をもてるものを大切にする
自分の好きなものや、興味をもてるものと関わる時間をもつのがおすすめです。好きな映画やミュージカルを観る、昔ファンだった歌手のコンサートにいってみるなど、自分が喜ぶ時間をつくりましょう。今はおひとり様が一般的になっているので、一人でも楽しめることがたくさんあります。ゆっくり過ごしたいときには、無理せず一日ゴロゴロして過ごすのもおすすめです。自分がやりたいことをして、ストレスを発散しましょう。
リラックスできる時間をつくる
リラックスできる時間をつくって、心身の疲れを癒しましょう。お気に入りの本を読んだり、ヒーリングミュージックを聴いたりしてゆっくりと過ごすのがおすすめです。動物や自然と触れ合うことでも、癒しの効果が得られるといわれています。忙しくて時間がとれないときには、目を閉じてゆっくりと腹式呼吸をしてみてください。軽くストレッチするのもおすすめです。
人に話を聞いてもらう
誰かに話を聞いてもらうことで、ストレスを解消できることがあります。信頼できる人やお互いに助け合える人に、話しを聞いてもらうのもいいでしょう。適した相手がいない場合には、公共機関の行っている電話相談を利用するのもおすすめです。
ストレス対策以外の認知症予防
日常生活に適度な運動を取り入れる
適度な運動をすることで、脳に刺激を与えて活性化を促すことができます。また、体の血行もよくなるため、脳へ酸素や栄養が届きやすくなることも期待できます。ストレッチやウォーキングなど、自分が無理なく行える運動を習慣にするとよいでしょう。
認知症予防に効果のある食材をプラスする
次の栄養素は、認知症予防に効果が期待できるといわれています。
- DHA:さんま、あじ、うなぎ
- βカロテン:にんじん、ホウレンソウ、かぼちゃ
- ビタミンC:赤ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ
- ビタミンE:アーモンド、ツナ缶、ひまわり油
- ポリフェノール:カカオ、ブルーベリー、コーヒー豆
バランスのとれた食事を基本にして、認知症予防に効果のある食材を適度に取り入れましょう。
脳へ刺激を与える
脳を活性化させて認知症を予防するには、脳への刺激が必要です。脳をトレーニングする効果のある、ゲームやパズルなどを上手に活用しましょう。手先を使う作業をしたり、手指の体操をしたりするのも脳への刺激となります。歌を聴いたり歌ったりするのもよいでしょう。いろいろなものに興味をもち、新しいことにチャレンジするのもおすすめです。
まわりの人と交流をもつ
人と交流することで、脳に刺激を与えることができます。自分が心地よく付き合える相手と交流をもったり、地域の集まりに参加したりするのがおすすめです。まわりの人と交流があると、自分では気づけない心身の変化などを指摘してくれることもあります。健康の維持には早期発見・早期治療が大切となるので、お互いの健康に気を配れる関係が築けるとよいでしょう。
さいごに
ストレスは心身に悪影響を与え、認知症の発症や悪化の誘因になるおそれのあるものです。認知症を予防するためにも、こまめにストレスを発散してためないようにしましょう。日常生活からストレスを遠ざけることも効果的です。認知症予防は、継続した対策が必要になります。適度な運動やバランスのいい食生活などを習慣にして、認知症予防に役立てましょう。