春夏に流行しやすい子どもの病気とは?
春から夏にかけて流行しやすい子どもの病気には、以下のものがあります。
ロタウイルス(感染性腸炎)
主な症状は下痢、嘔吐、発熱、腹痛です。乳幼児(0~6歳)がかかりやすく、脱水症の合併に注意が必要です。
3月~5月に流行します。
麻しん(はしか)
主な症状は発熱、咳、リンパ節の腫れ、発疹です。時には重篤な肺炎、脳炎を合併することがあります。
3月~8月に流行します。
風しん(3日はしか)
主な症状は発熱、咳、リンパ節の腫れ、発疹です。麻しんと風しんは症状が似ていますが、風しんは麻しんより軽症であることが多いです。
3月~7月上旬に流行します。
手足口病
主な症状は手足の発疹やみずぶくれ、口内炎です。口内炎の痛みから食事や飲水ができないと、脱水症になることがあります。
6月~8月に流行します。
ヘルパンギーナ
主な症状は突然の高熱と口からのどにかけての水ぶくれです。
6月~7月に流行します。
咽頭結膜熱(プール熱)
主な症状はのどの痛み、目の充血、高熱です。プールでの接触やタオルの共有で感染することがあるため、プール熱と呼ばれます。
7月~8月に流行します。
秋冬に流行しやすい子どもの病気とは?
秋から冬にかけて流行しやすい子どもの病気には、以下のものがあります。
ノロウイルス(感染性腸炎)
主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。非常に感染力が強く、アルコールで消毒されません。次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。
11月~2月に流行します。
インフルエンザ
主な症状は発熱、のどの痛み、咳、鼻汁です。普通の風邪よりも高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状を伴うことが多いです。
12月~3月に流行します。
RSウイルス
主な症状は発熱、鼻汁、咳です。乳児期に感染すると細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。
秋から冬に流行することが多いですが、近年は夏でも感染することがあります。
マイコプラズマ
主な症状は発熱、倦怠感、頭痛、咳です。熱が下がった後も3~4週間程度咳が長引くのが特徴です。
11月~12月に流行しますが、年間を通じて発生します。
年間を通じて予防のために気をつけたいことは?
感染症は予防が重要です。
感染症予防として、以下の5つが重要です。
予防接種
麻しん、風しんなど、重症化したり、重篤な後遺症が残ることがある感染症があります。
ワクチンを接種することで、感染、発症を未然に防ぐことができます。
予防接種には様々なワクチンがあり、接種時期、接種回数もワクチンによって異なるため、かかりつけ医と相談して、予防接種スケジュールを立てましょう。
十分な睡眠
睡眠不足は感染症に対する抵抗力を弱めます。
早寝早起きを心がけ、免疫力アップを目指しましょう。
バランスのよい食事
バランスのよい食事を心がけ、免疫力を高めましょう。
野菜や果物に含まれるビタミン、ミネラルをしっかりとることが効果的です。
手洗い・うがい
帰宅した時、食事の前、トイレの後の手洗い・うがいを習慣化することが大切です。
流水で細菌やウイルスをしっかり洗い流し、石鹸で手の隅々まで洗いましょう。
適切な温度と湿度の管理
暑い夏は冷房で室温を26~28℃に保ち、寒くて乾燥する冬は室温18~23℃、湿度50~60%に保ちましょう。
乾燥した空気はウイルスが空気中に浮遊しやすく、のどの粘膜を乾燥させて免疫防御機能を低下させます。
さいごに
普段から感染症予防を心がけていても、感染症を100%避けることは難しいです。特に入園・入学当初は頻回に発熱することも珍しくありません。
発熱や下痢でぐったりしている、食欲がなくあまり水分もとれないなどの場合は、早めに小児科を受診しましょう。
また、予防接種や急な症状の変化について気軽に相談できるかかりつけ医をもっておくことが大切です。