高血圧とは
高血圧とは、常に血圧が高値を示す状態のことです。
一般的に、上の血圧(最高血圧)が140mmHg・下の血圧(最低血圧)が90mmHg以上で高血圧と診断されます。
本来「血圧」とは心臓から動脈に血液が流れる際に血管の壁にかかる圧力のことを言います。
高血圧の状態が長く続いてしまうことによって、動脈硬化が起こり脳卒中や心筋梗塞といった生命に関わる危険な状態へと移行してしまうことも珍しくありません。
中高年の男性に多いイメージがある高血圧ですが、近年、ライフスタイルの変化や高カロリーな食事が増えているため今では老若男女に起こり得る症状なのです。
なぜ高血圧になるのか?原因とは
高血圧になる主な原因は、遺伝的な要因と食習慣や生活習慣などの環境的要因の2つがあります。
遺伝的な要因として、両親の両方もしくは片方が高血圧である場合が挙げられます。
高血圧の既往がある親を持つ場合、高血圧のない両親を持つ場合よりも高血圧になりやすい傾向にあるのです。
環境的要因として下記の3つが挙げられます。
- 塩分過多
- 野菜の摂取不足
- 運動不足・肥満
高血圧の原因で最も多いのが「塩分」の取りすぎです。
人間の身体は体内の塩分を一定に保つために働く特徴があります。
高カロリーな食事や濃い味を好むあまりに塩分を取りすぎると体内の塩分濃度を薄めようとして水分を溜め込むようになるため、血液量が増加し、血圧の上昇を招くのです。
野菜の摂取不足も高血圧につながりやすくなります。
野菜には体内の塩分を排出する「カリウム」が豊富に含まれていることが特徴です。
そのため、野菜を摂る習慣があると体内の塩分が排出されて血圧の上昇を抑えられますが、野菜を摂取する習慣が少ないと体外に塩分が排出されにくくなり、血圧が上昇しやすくなってしまうのです。
運動不足の状態は、体外に塩分を排出する作用が働きにくくなり、身体が冷えて血行も悪くするため血圧を上昇させます。
肥満の状態は、食べ過ぎによって塩分摂取量が多くなりやすく、体内の血液が増えるため高血圧が起こりやすくなってしまうのです。
高血圧を防ぐ、進行を抑える方法とは?
高血圧を防ぐためには、減塩・運動療法・減量の長期的な継続が重要です。
「減塩」は、高血圧を防ぐ上で最も重要で、食塩の摂取は1日6g未満に留めることが大切です。
また、「カリウム」を一緒に摂取すると塩分が体外に排出されやすくなり、更に効果を発揮します。
「カリウム」は野菜や果物・海藻類に多く含まれますが、水に溶けやすいことが特徴です。
食べる時には生野菜サラダかスープにすると効率よく「カリウム」を摂取することができます。
高血圧予防にはウォーキングやジョギングの有酸素運動がおすすめです。
1日30分程度行うと血行が良くなったり塩分を排出しやすくなったりして血圧が下がりやすくなります。
体重を減らすことも高血圧を予防する上で大切です。
4〜5㎏程度の減量をすると血圧が4mmHg程度血圧が下がると言われています。
高タンパク・低脂質・低カロリーの食事を意識し、定期的な運動で減量を目指すことがおすすめです。
さいごに
この記事では、下記の3つについて紹介してきました。
- 高血圧とは
- なぜ高血圧になるのか?
- 高血圧を防ぐ方法、進行を抑える方法
高血圧は、食塩の摂り過ぎや運動不足などによって血液量が増えて血管の壁にかかる圧力が増した結果、血圧が高くなる病気です。
そのまま放置すると、脳梗塞や心筋梗塞に移行し生命の危機につながりやすくなります。
普段から減塩や運動を習慣にして血圧の正常値を保てるようにすることが大切です。
そして、定期的に健康診断を受けたり、普段から血圧測定を行う習慣を身につけたりして自分の血圧を知る必要もあります。
そして、血圧が正常値より高めが続く時には、食生活に気をつけているから大丈夫だと自己判断せずに医師に相談しましょう。