糖尿病と歯の深い関係とは?同時に悪化しやすい理由と今日からの対策

  • 2025年12月17日
  • 2025年12月17日
  • 糖尿病

最近、内科で糖尿病を告げられ、続けて歯科では歯周病と言われ、「どうして同じような時期になるの?」と戸惑っていませんか。「このまま悪くなったら歯が抜けてしまうのでは」「体にも悪い影響が出るのかな」と心配になるのも無理はありません。

糖尿病と歯周病は一見関係のない病気に思えますが、実はどちらかが乱れるともう片方にも影響が出やすい病気です。血糖値が高い状態が続くと歯ぐきが炎症を起こしやすくなり、反対に歯周病が悪化すると体内の炎症が高まり、それが血糖値の上昇につながります。つまり、気づかないうちにお互いを悪化させるサイクルが生まれてしまうのです。

しかし、適切な治療とケアを始めれば、この悪循環は断ち切れます。
ここからは、その仕組みと放置した場合のリスク、そして今日から取り入れられる対策について、順を追って解説していきます。

糖尿病と歯周病の相互関係とは

糖尿病と歯周病を同じ時期に指摘されると、「偶然?」「関係あるの?」と不思議に感じる方も多いはずです。実はその背景には、血糖と歯ぐきの炎症が深く結びついているという特徴があります。 ここでは、なぜこの2つが互いに影響し合うのか、その仕組みを分かりやすく解説します。

糖尿病と歯周病の相互関係を以下にまとめました。

糖尿病が歯周病に与える影響

  • 免疫力が弱まる
  • 唾液が減り、口の中が乾燥しやすい
  • 傷が治りにくい
  • 血管が弱くなる

結果、歯周病が発症・悪化しやすい状態になる

歯周病が血糖に与える影響

  • 歯周ポケットから炎症物質
  • 内毒素が血管を経由して体内に放出される
  • 血糖値を下げるインスリンが効きにくくなる

結果、血糖値が上がりやすくなる

相互の影響

  • 炎症→血糖を上げる
  • 血糖上昇→さらに炎症が進む

結果、歯周炎と高血糖が互いに悪化し合う

このように、糖尿病と歯周病は互いに影響し合い、知らないうちに悪循環をつくってしまいます。だからこそ、どちらか一方ではなく、両方をあわせて見直すことがとても重要です。

放置するとどうなる?歯を失うリスクと全身への影響

歯周病は、ただ歯ぐきが腫れる・血が出るといった表面的な問題にとどまりません。痛みがほとんどないまま進行するため、気づいたときには骨が大きく溶けてしまっているケースもあります。放置を続けると歯を失うリスクが高まるだけでなく、全身にも影響してくることが明らかになっています。歯周病を放置すると起こること、全身への影響についてわかりやすくご紹介します。

以下に、歯周病が全身へ与える主な影響をまとめました。

歯周病が全身へ及ぼす主な影響

  • 肺炎、心臓病、リウマチなどのリスク増加
  • 妊娠中は早産、低体重児出産のリスクが上昇
  • 糖尿病の治療が難しくなり、血糖コントロールが乱れやすくなる

歯周病が悪化すると起こること

  • 歯槽骨が減り、歯がグラグラする
  • 嚙む力が弱くなり、食事が不便になる
  • 発音しづらい
  • 顔つきが変わり、老けて見える

歯周病が「サイレントディジーズ(静かに進む病気)」と言われるのは、症状が出る頃には進行していることが多いためです。

だからこそ、定期的な歯科受診と毎日のケアが何より重要なのです。

血糖値をコントロールするための口腔ケアと予防法

歯周病と糖尿病には密接な関係があるため、口腔ケアを整えるだけでも血糖コントロールが良くなるケースが増えています。歯ぐきの炎症が減ると体への負担も軽くなり、血糖値が安定しやすくなるためです。ここでは、毎日の生活に取り入れやすいケアのポイントを紹介します。

以下に、口腔ケアの基本ポイントをまとめました。

  • 毎日の歯みがきで、歯垢(プラーク)をしっかり除去する
  • 3~6か月に1回は歯科で歯石を取り、歯ぐきの状態を確認する
  • 痛みや出血など小さな異変も放置せず早めに受診する

こうした基本的なケアを積み重ねることで、歯周病による炎症を抑えやすくなり、結果として血糖値の安定にもつながります。毎日のセルフケアと歯医者での専門的なケアを組み合わせて、口の中を清潔に保つことが大切です。

歯みがきを助けるアイテムの活用も効果的

プラークコントロールの基本は歯ブラシですが、電動歯ブラシや歯磨剤、洗口液などを併用することで、汚れをより落としやすくなり、歯周病予防の効果も高まります。

電動歯ブラシ

歯と歯ぐきの境目に軽く当てて使うだけで効率良く汚れを落とせます。ただし、歯間は届かないためフロスや歯間ブラシとの併用が必須です。

歯磨剤(歯みがき粉)

フッ化物や抗炎症成分を含む医薬部外品を選ぶと、歯と歯ぐきの健康維持に役立ちます。

洗口液(マウスウォッシュ)

洗口臭予防や細菌の増殖抑制に便利。ただし、歯磨きの代わりにはなりません。

アイテムを上手に組み合わせることで、ケアの質がぐっと高まり、歯周病予防だけでなく血糖の安定にも良い影響が期待できます。

さいごに

糖尿病と歯周病は別々の診療科で扱われますが、体の中では互いに影響し合う「歯車」のような関係です。歯ぐきの炎症が続くと血糖が上がりやすくなり、血糖が不安定だと歯周病も進みやすくなります。

そのため、血糖管理と口腔ケアはセットで考えることが大切です。毎日の歯みがきや歯科受診、小さなケアの積み重ねが、体全体の健康を守る助けになります。完璧を目指さず、少しずつ習慣に取り入れていきましょう。